1. 超音波霧化機の構成
高周波超音波(1?3MHz帯域)を用いた霧化ユニットの構成例 超音波溶着機などで使われる低周波ホーンタイプ(20kHz近辺)を用いた霧化ユニットの構成例 超音波で液体を霧化する方法は、2MHz近辺のメガソニック帯域を使用した霧化装置と、 20kHz近辺を使用したホーンタイプの2種類があります。どちらも超音波振動を発生させる振動子と、振動子を駆動するための発振器があります。低周波タイプは振動子から液体に超音波を放射させるホーンが必要となります。
一般的にホーンタイプは空中で作動させても故障することはありません。高周波タイプは液体が無くなると故障しますので、液の管理が必要となります。
2. 超音波霧化機の使用例
超音波霧化機は、乾燥した部屋やスーパーの野菜売り場などで 、加湿器として使われています。また、除菌・消臭剤の噴霧や、超音波 ネブライザー として呼吸器疾患の 薬液吸入に用いられ、映像関連ではミストスクリーンとして使用されております。大量に霧化したい場合や半田ボールの製造などは、低周波ホーンを使用したタイプが使われています。
高周波超音波(1?3MHz帯域)を使用した加湿器の例
ホーンタイプを用いた半田ボールの作成例
3. 超音波霧化の原理
強力な超音波エネルギを液面に集中させると、音圧が高い中心位置で波が立ち、さらに超音波エネルギが集中して水柱を作り出します。水柱の表面に 形成されるキャピラリー波(表面波)の破断により、波の先端から液滴が霧として飛散するといわれています。
4. 超音波霧化機の利点
霧を瞬時に発生させることができます。また、霧化量は振動子への入力電力の大きさを変えることで制御できます。
水道水を高周波超音波(1?3MHz帯域)を用いて霧化した場合の中心粒子径は、4?5μm(マイクロメートル )の超微粒子の霧となります。低周波ホーンタイプを使用すると、 中心粒子径100μm程度の粒になります。
薬液を瞬時に超微粒子にすることができますので、医療関係では薬液を吸引する超音波ネブライザとして使われています。
超音波によって霧状になった水分は、水蒸気と異なり粒子が細かく、気化熱を持たないため、部屋や野菜を濡らさずに加湿することが可能です。
超音波霧化機取り扱い企業
株式会社カイジョー
高信頼性のホーンタイプを用いた霧化ユニットを提供。
本多電子株式会社
高周波超音波を用いた霧化ユニットを提供。
振動子取り扱い企業
株式会社NTKセラテック
産業機器用や治療装置用など幅広い分野に採用されています。
本多電子株式会社
ボルト締めランジュバン型振動子:圧電セラミックスが機械的に結合されているため、高振幅励振時においても破損がなく堅牢です。
株式会社富士セラミックス
圧電セラミックス振動子の専門メーカーとして、特長ある各種振動子を1品から量産品まで対応します。